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一言法話「善悪とは?」

三峰山 永昌庵

 私の寺には「諸悪莫作・衆善奉行(しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう )」と書かれた額が掛けられています。

 これは昔、白居易という詩人が仏法の大切な部分を問うた時に、道林禅師が答えた言葉です。簡単に意味を訳すと「悪いことをせず、善いことをしなさい」といったところでしょうか。

 一見簡単な意味に見える言葉ですが、私は、この言葉ほど難しく、実行し難い事はないと考えています。

 それは「善悪」は、本来、基準が無いところにあり、個人個人が自身の常識の中で善し悪しの区別をつけているからです。

 自分の常識の中だけで善悪を判断してしまえば、必ず、自分の価値と合わない考え方や、行動を見ると、反発する心が生まれます。

 正法眼蔵随聞記という本の中に、こんなお話があります。

 ある日、恵心僧都という僧が、庭の草を食べている鹿を追い払いました。その行動を見た人が「草を食べられるからといって、鹿を追い払うとは、なんてケチで心が狭い人なのだろう」と非難しました。

しかし、恵心僧都は「鹿を追い払わなければ、あの鹿は人に慣れて、いずれ誰かに捕まって殺されるだろう、だから追い払ったんだ」と言いました。

 恵心僧都の行いは、確かに人によっては「悪い行為」にも見えるでしょう。見方によっては、ただ鹿をいじめているだけのようにも見えるかもしれません。しかし、恵心僧都は自分中心にものを考えて行動はしていませんでした。

 何でも自分を基準に物事を考えれば、かならず人の考えを非難し、己の考えを重んじる心が生まれます。

 この言葉には続きがあり「諸悪莫作・衆善奉行・自浄其意・是諸仏教」と続きます。

意訳すれば「悪いことをせず、良いことをしなさい、自己を離れ清浄な心でそれを行うことこそが、仏法の教えである」です。

 善悪の基準は、人それぞれ違います。自己中心に考えて善を行えば、結果的に悪にもなりかねません。

 まずはこの、自己中心的な考えとは何か、己に問いかける事こそ、本来の善悪を知るきっかけであり、本来の自己に気づくための仏道修行なのです。
 

基本情報

名称三峰山 永昌庵
フリガナサンポウザン エイショウアン
住所949-6612 南魚沼市東泉田344
電話番号090-8096-0545/025-773-5286
御用の方は、予めご連絡をお願い致します。
メールアドレスkitunenohoozuki@icloud.com
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駐車場あり
古物商許可番号新潟県公安委員会 第461240000983号
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