一言法話「断捨離こそ捨ててしまえ」
三峰山 永昌庵
最近、家を継ぐ方が居なくなり、その家のお仏壇の魂抜き法要を依頼される方が増えてきました。
その度によく
「いい機会だと思い、思い切って『断捨離』しました」
という言葉を良く聞かされます。
それを聞くたび古い物が好きな私は
「ああ、先祖代々大切にしてきた品なのに、勿体無いな……」
と心の中で思いつつ、この「断捨離」が美徳であり、仏道修行の一つと考えられている事に違和感を覚えます。
そもそも、断捨離という言葉が流行り始めたのは、いつ頃からだったでしょうか?
調べたところ「断捨離」は
「不要な物を捨てることで、執着から離れ、快適な生活と人生を手に入れる」
……といった思想で、2009年に作家のやましたひでこ氏が提唱し、商標登録した言葉であり、ヨガの「断行、捨行、離行」を応用した考え方の様です。
その言葉を真に受け、最近、必要以上に物を捨てる人が多くなりました。
しかし本来の「断行、捨行、離行」とは、
『自身の心の、凝り固まった価値観や固定概念から離れる為の考え方』であり、決して「物を捨てることで、心を身軽にする」という考え方ではありません。
「断捨離」と言って、物を捨てる事ばかり考える事もまた、物に執着する事に他ならなりません。
また、物を捨てる事で心がスッキリするのは
「掃除をしたら気持ちがいい」
と同じ考えであり、それ自体は悪い事ではありませんが……必要以上に断捨離に執着すれば、それは結局「断行、捨行、離行」の妨げともなります。
今ある物を、大切に扱うこと。
それこそが、本当の「断行、捨行、離行」の在り方ではないでしょうか?
基本情報
口コミ
このお店・施設に行ったことがありますか?あなたの体験や感想を投稿してみましょう。